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院長ブログ

歯周炎の進行度や表現型に個人差が出るのはなぜか?


  歯周病が歯周病菌の感染によりスタートすることは,疑いようがないほど決定的だが、歯周病菌が感染して以降、どのような経過をとるかは、個人差がある。つまり、歯周病の表現型には多様性があり、細菌だけではその多様性は20%程度しか説明できない、と言われている。では、その多様性には何がからんでいるのか?今日はそれがテーマだ。

 その多様性を説明するキーワードが「リスクファクター」なのだ。歯周炎の実像は単純ではない。歯周炎の進行は、細菌が歯周ポケットに感染すると、これが”カスケードと呼ばれる炎症の連鎖反応のスイッチを入れたことになり、後はドミノ倒し的に抗原に対する宿主応答が自動的、連鎖反応的に起り、最終的に結合織や骨の破壊にいたる、といった単純な一方通行のモデルではない。細菌の感染がスイッチで、骨や結合織の破壊といった決定的なイベントが終末反応とするなら、スイッチが入ってから終末反応にいたるまでに、いわゆる「リスクファクター」が、そのカスケードの進行に影響を及ぼし、歯周炎の進行に変調を起こさせる。

 ところで「リスクファクター」には改変不可能なものと、改変可能なものがある。前者の具体的なものとして、年齢、骨祖鬆症、全身疾患、過去の歯周病歴が挙げられ、後者の具体的なものとして、全身疾患に対して投与する内服薬、ホルモン変化、心理社会的ストレス(慢性ストレスやうつ病)、不正咬合、早期接触、パラファンクションなどが挙げられる。

 こういったリスクファクターのうちのどのファクターが大きく関与するかで、歯周炎の進行度や表現型に個人差が出るわけだ。

 

参考文献:築山鉄平/宮本貴成.歯科医療のイノベーションを考えるー歯周病の観点からーthe Quintessence.Vol.35.No.9.44-64.2016.

中山 康弘 院長

■この記事の監修者

中山 康弘 院長

略歴・資格
  • 1974年 香川県立高松高等学校卒業
  • 1981年 福岡県立九州歯科大学卒業
  • 1981年 岡山大学歯学部口腔外科学講座入局
  • 1990年 岡山大学大学院歯学研究科歯学専攻修了 - 歯学博士(岡山大学)
  • 1991年 香川医科大学医学部非常勤講師
  • 1992年 岡山大学歯学部非常勤講師
  • 1992年 岡山赤十字病院歯科口腔外科副部長
  • 1996年 高松赤十字病院歯科口腔外科部長 - 日本口腔外科学会指導医
  • 2004年 高松市にて中山歯科クリニック開業
  • 2007年 日本臨床歯周病学会認定医
  • 2011年 日本歯周病学会歯周病専門医
  • 2016年 日本臨床歯周病学会歯周インプラント認定医
  • 2022年 加圧サイクル・インストラクター資格
修了研修・学会等
  • 日本口腔外科学会
  • 日本口腔科学会
  • 日本歯周病学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • AAP(American Academy of Periodontology)アメリカ歯周病学会
  • 日本加圧トレーニング学会
  • 日本抗加齢医学会

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