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院長ブログ

AMPキナーゼと老化


 昨日書いたように、骨格筋内のエネルギー、すなわちATPが不足するとAMPキナーゼ(AMPK)が活性化され、GLUT4の転写及び翻訳をともに亢進し、その結果、インスリン刺激によるグルコースの取り込みを上昇させる。さて、このこAMPキナーゼは、低グルコースや低酸素状態、虚血、あるいは熱ショックなど、細胞のATPを枯渇させるようなストレスに応答して活性化される。また、数々の研究から、アディポネクチン (Adiponectin)、レプチン (Leptin)、及びカルモジュリンキナーゼキナーゼβ (CaMKKβ) を介したシグナル伝達もまた、AMPKの活性化にとって重要であることが示されている。

 AMPKはまた、脂肪酸酸化や解糖系のような分解系を刺激してATP産生を増加させる。さらに、AMPKは、グリコーゲン合成酵素などの細胞内のATP消費に関連する数々のタンパク質をマイナスに調節することでATPの消費を制限している。その結果、糖新生、及びグリコーゲン、脂質及びタンパク質の生合成を低下させたり阻害したりする働きもする。脂質とグルコース両方の代謝に中心的な調節因子としての役割を果たすため、AMPKは肥満やII型糖尿病、そしてがんの治療にとって鍵となる標的であると考えられているのだ。興味深いことに、AMPKは、今日、mTOR、SirT1(サーチュイン)及びセストリンとの相互作用を通じて、老化の決定的な調節因子としても認識されている。

 その活性化により、骨格筋細胞内へのグルコース取り込みに関与するAMPキナーゼは、老化の調節にも関連しているらしい情報もあり、要注目の酵素だろう。当面、自分的には、筋肉を鍛錬することで、この酵素にしっかり活躍してもらいたいものだ。

 

参考文献:Jorgensen SB1, Rose AJ. How is AMPK activity regulated in skeletal muscles during exercise? Front Biosci. 2008 May 1;13:5589-604.

 

 

中山 康弘 院長

■この記事の監修者

中山 康弘 院長

略歴・資格
  • 1974年 香川県立高松高等学校卒業
  • 1981年 福岡県立九州歯科大学卒業
  • 1981年 岡山大学歯学部口腔外科学講座入局
  • 1990年 岡山大学大学院歯学研究科歯学専攻修了 - 歯学博士(岡山大学)
  • 1991年 香川医科大学医学部非常勤講師
  • 1992年 岡山大学歯学部非常勤講師
  • 1992年 岡山赤十字病院歯科口腔外科副部長
  • 1996年 高松赤十字病院歯科口腔外科部長 - 日本口腔外科学会指導医
  • 2004年 高松市にて中山歯科クリニック開業
  • 2007年 日本臨床歯周病学会認定医
  • 2011年 日本歯周病学会歯周病専門医
  • 2016年 日本臨床歯周病学会歯周インプラント認定医
  • 2022年 加圧サイクル・インストラクター資格
修了研修・学会等
  • 日本口腔外科学会
  • 日本口腔科学会
  • 日本歯周病学会
  • 日本臨床歯周病学会
  • 日本口腔インプラント学会
  • AAP(American Academy of Periodontology)アメリカ歯周病学会
  • 日本加圧トレーニング学会
  • 日本抗加齢医学会

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